「着た人が幸せな気持ちになる
スーツが、一揃いできる部屋」
をコンセプトにサカゼンがお届けする
WEBメディア
”THE SUITE ROOM”
造り手と売り手のTOP たちが語る
スーツの魅力
Chapter.01
造り手と売り手のTOP 対談
サカゼンという
社名の由来
【サカゼン・村上社長】

戦後まもない東京の下町で、洋服や帽子を自分で作って売り始めたところから歴史は始まりました。その後、店を構えて卸売業を開始し、栃木県に縫製工場も起ち上げました。最盛期には国内に4工場を展開。DCブランドの服は全部うちの工場で作っていると言っても過言ではないほどでした。その、創業者である会長の名前“坂本善重郎”が社名の由来です。

当社は好調だった洋服に絞ってやっていこうという風になったのですが、バブルが崩壊。人件費の安い中国をはじめとする海外での製造を視野に入れ始めました。労働条件や賃金など総合的に見て縫製事業からの撤退を決断、小売りへと大きく舵を切ることになりました。

佐藤、
もう一度やろうよ
【サンライン・佐藤社長】

サカゼンさんのスーツを30年近く継続して作らせていただいていることに、本当に感謝しています。前身は名古屋から青森に進出していた縫製企業です。私が引き継ぎ、2 3 ~2 4 年前に経営が破綻、会社が立ち行かなくなった時、周りの同僚たちに「佐藤、もう一度新たに立ち上げてやろうよ」と担ぎ上げられるようなことろから始まりました。やる気しかありませんでした。

(日本の縫製工場は)終わっていると思っているのに、なぜ縫製工場を立ち上げるというところに至ったのか。わずかな可能性かもしれないけど続けられるのでは、という希望があったからです。近所の仲間たちと、想いのある人たちが一緒に服を作ろうっていうのが原点です。

Chapter.02
うちの原点はスーツ屋だ
ディティール
部分のこだわり
【サンライン・佐藤社長】

フラップはポケットに引っ付くような仕掛け。普通に作ると浮いてしまう。裏地をバイアスに裁ち、アイロンでギュッと伸ばし、包み型になったものをフラップの型に入れ、表地と一緒に縫製。すると裏地がもとに戻ろうとするので、ポケットにピタッと引っ付くようになります。

着た人が幸せを感じ、
出かけたくなるようなスーツ
【サンライン・佐藤社長】

胸のドレープは、ダーツ処理を手前側に入れてできるだけドレープをまっすぐに仕上げます。

見返し側から展開していって膨らみを出す。毛芯と表地を一緒に精度裁ちしているので、ちゃんと左右均等まっすぐに仕上がります。ギャザリングを入れ、後から毛芯のギャザリングをうつと、自然とまっすぐにしてくれる。

着る人にふさわしい
形に仕立てていく
【サンライン・佐藤社長】

有名バイオリニストからスーツの依頼がきた際、弾くのに腕を上げたいけど、通常のスーツだと腕が上がらず、前身ごろも一緒に上がってしまうというので、アームホールをある程度まで上に角度を調整。腕の可動域をもっと広げたい、筋肉のある人などには、形を変えます。

BigSizeの
かっこいいスーツ、
ぜひ作りましょう
【サンライン・佐藤社長】

当社はOEM生産に特化しています。お客さまから預かった寸法とラインは絶対に変えません。当社のこだわりというのは「発注いただく人たちのこだわり」。

また気心知れた服作りが好きな人間が集まり、意見を出し合って仕事をしているのは強み。今度、ぜひサカゼンさんのお店に行かせてください。うちのスタッフが直接売り場で話を聞いたり感じたりして、かっこいいなっていうスーツを想像することができれば、きっといいものが生まれそうです。ビッグサイズでかっこいいスーツ、今もそういう商品はあると思いますけど、ぜひ作りましょう。

【サンライン・佐藤社長】

以前の洋服は、型紙に合わせて生地を裁断し、パーツになった生地に仕付けをゲージで余分な部分をカットしていくというやり方でした。このようなやり方では日本の工場はやっていけない、生産効率が悪すぎる、しつけをたくさんして、大まかなものをゲージでそろえていくというやり方は、ミスもアバウト、生地も捨てるところが多い。しつけをやればやるほど、傷をつけるリスクもあります。

そんな時に、イタリアを代表するラグジュアリースーツブランドをばらして研究する機会をいただき、その時の衝撃は今でも忘れられません。こんなに簡素化されて理にかなっている仕立て方があるのか、と驚きました。

モノづくりに対する考え方の参考に、「そもそも着た人が幸せな感じ、出かけたくなるようなもの。」と書かれた本を読み、当時の上司を説得して、1年間くらいかけてイタリアのスーツブランドのやり方を取り入れた新しい仕立て方を確立。イタリアの仕立て方のいいところと、日本の生真面目ないいところを融合し、バランスのいい服を作るという現在の当社スタイル。

【サカゼン・村上社長】

まるで生きているスーツだね。


【サンライン・佐藤社長】

はい、呼吸をしているので。

To be continued...